セーリングクルーザに乗るときに必要なものや知識をまとめました。

セーリングを始める前に
海へ出よう
何が必要か?
心がけること
セーリングの基礎知識
自分の船を持つには


何が必要か?

セーリングクルーザに乗るにはそれほど特別な装備はいりません。デイセーリングであれば次のようなものがあればよいでしょう。季節で少し装備が変わります。

装備 夏季 冬季
シューズ デッキシューズが最適です。デッキシューズは裏側が濡れたデッキで滑りにくいように加工されています。濡れることもあるので素足に履いた方がいいでしょう。普通の運動靴でも十分です。 マリンブーツはディスカウントストアなどで売っているもので十分ですが、底が黒いゴム製のものはデッキに黒い足跡を残すので避けましょう。
セーリング中には濡れることもありますし、ボートをきれいにメンテナンスしているオーナもいますので、シューズはセーリング用のものを持っていって履き替えるようにした方が無難です。履き替えをもって行かない時には乗艇前に砂や土を落とす配慮をしましょう。
女性の方はくれぐれもサンダルやハイヒールでは乗艇しないこと。危険です。
パンツ 通常のタウンウェアで十分ですが、動きやすいものがベターです。ジーンズは濡れると渇きにくいのであまり海には向いていないと言われています。
シャツ Tシャツでよいですが、首筋の日焼けを避けるためにも襟つき半そでの方がより望ましいです。 上着も通常のタウンウェアで十分ですが、動きやすいものがベターです。トレーナがよいでしょう。
防寒具 風が強いと意外と寒いものです。ウインドブレーカを用意しておいた方がよいでしょう。 セータあるいはフリースは必須。その上にウインドブレーカを着ましょう。
オイルスキン
(かっぱ)
晴れていても風が強いとスプレーを浴びて濡れますが、着替えを持っていけばおけばよいでしょう。雨模様の時は濡れると意外と寒いので少なくともウインドブレーカを用意しましょう。 風が強い時や雨模様の時にはオイルスキン(かっぱ)が必要なので常に持って行くべきです。
オイルスキンは最初はビニールカッパでもよいですが、本格的にセーリングを始めるのであればセーリング用のものがよいでしょう。セーリング用の材質はスキーウェアとは異なり、いいものになるとバケツの水をかぶってもしみてきませんし、ビニール製のもののように引っかけて破れることもありません。デイセーリングであれば薄手のオイルスキンで十分ですし、そのようなものであれば上着をウインドブレーカとしても利用できます。
グローブ セーリングボートのコントロールには多くのロープを使いますのでグローブが必要です。もしセーリングを続けるつもりなら購入した方がよいですが、軍手でも代用できます。細かな作業もあるのでスキーグローブのような厚手のものは不向きです。

極寒地向けのグローブも市販されていますが東京周辺でセーリングする分にはほとんどは通常のセーリンググローブで十分です。
帽子 日射病や熱射病の予防のためにも夏場は必須です。顔の日焼けやまぶしさを防ぐためにもキャップ帽のようにつばのある帽子がよいでしょう。 冬は防寒性の高い帽子がベターです。
風で飛ばされないようクリップ(アウトドア用品店で売っている)を用意しましょう。飛ばされたら回収できないものと考えた方がよいです。
サングラス 必須ではありませんがあった方がよいでしょう。安全のためにできるだけスポーツグラスなど割れない素材のものを選んでください。また、帽子同様、飛ばされないように紐をつけましょう。眼鏡も同じです。
日焼け止め 必須です。 あった方がよいでしょう。
食料と飲料 デイセーリングであれば、多くの場合は艇の上で昼食を食べますが、自分で用意するケース、艇で用意するケースなどがありますので、参加の前に必ず確認しましょう。クルージングの計画によっては目的地にしたマリーナのレストランで食べることもあります。
飲料は自分の好きなものを用意して参加しましょう。 ほとんどの艇では クルージング中のアルコールはOKですがくれぐれも飲みすぎないように。 レース指向でセーリング練習をバリバリやるようなケースでは アルコールは控えるべきしょう。艇によっていろいろなので一番最初はアルコールなしの方が無難です。
タオル・着替え 夏場は汗をかきますし着替えを用意しておきましょう。シャワーを利用できるマリーナもありますのでタオルなどシャワーを浴びる準備もあった方がよいでしょう。
酔止薬 船酔いに自信がない人はあらかじめ薬を飲んでおきましょう。また朝食は船に乗る2時間位前にしっかり食べておいて昼食は控えめにすることをお勧めします。前夜の睡眠も十分に。もし酔ってしまったら遠慮せずにスキッパー等に伝えてください。船酔いは慣れるものですから一度酔ったからといって自信をなくさないように。
ライフジャケット
ハーネス
ライフジャケットは艇に常備されていますので持参する必要はありません。通常のライフジャケットは厚手で動きにくいので、セーリングを長く続けられそうだと思ったら、膨張式のジャケットを自分で用意するとよいでしょう。購入するのであれば、ハーネスをつけられるタイプのものをお勧めします。 関東以南の暖かい地方で昼間のデイセーリングに参加するくらいであればハーネスを使うことはほとんどありませんが、ロングクルージングに備えてハーネスのラインも用意するようにして下さい。
水着・ゴーグル 初心者は海水浴が企画されているような時以外は不要でしょう。
一人前のクルーなら水着は持って行くべきです。プロペラにロープがからんだり何らかのトラブルの場合には海に入ることが必要になるからです。艇に備えてあることもありますが、ゴーグル(競泳用ではなくダイビング用)は必須、シュノーケル・フィンもあった方がよいでしょう。
無線機・携帯電話 初心者はなくてもよいでしょう。
ただし非常時の連絡手段として艇に1台は必須です。沿岸クルージング(東京周辺であれば大島くらいまで)なら携帯電話でも利用できます。PHSは電波が届きません。
遊び道具 海水浴が企画されているなら水着を持っていきましょう。艇内では着替える場所が限られるのであらかじめ着て行く方がいいかもしれません。セーリングボートは吃水が深いのでビーチから離れた沖にアンカリングすることが多いです。足がつく深さではないので、フィン、シュノーケル、浮輪などがあるといいでしょう。 冬場は釣りくらいでしょうか。ただし釣りは艇を止めないとできませんので、セーリング練習が中心の場合に釣り道具を持ち込むのは場違いと思われるのでやめましょう。

心がけること

初めてセーリングクルーザに乗ると見たこともない艤装品と多くのロープに驚くかもしれません。風のある海ではモノハルのクルーザは想像以上に傾きデッキにいても不安定です。安全にセーリングを楽しむためにも次のことを覚えておきましょう。

・ライフジャケット :例え泳ぎに自信があってもライフジャケットは着用すべきです。良識ある艇(クラブ)なら艇に常備されているジャケットを貸してくれるはずですので、必ず着用しましょう。
・居場所 :特に指示がない限り、風上側のマストより少し後ろのデッキで、海側に向かって座ります。この姿勢は艇のヒールを抑える効果もありますし安全です。
マストより前は方向転換の時にヘッドセールが動き回るのでそこにはいるべきではありません。また追い風で帆走している時はブームが勢いよく返ってくる(ワイルドジャイブ)の危険がありますので、常にブームより頭を低くしていなければなりません。また、コクピットでは様々なコントロールが行われ狭いのでここにいるのも避けた方が無難です。
・艤装品の取り扱い :デッキには様々なロープやウインチなどの艤装品があります。 ひとつひとつの艤装品にはそれぞれ重要な役割があり、これらの故障は安全を脅かします。大切に扱うようにしましょう。具体的には次の通りです。
・ロープやセールを踏まない。(セールはセーリングボートのエンジンです。セールを上げるまではセールはデッキ上に置かれます。むやみに踏んだりしないようにしましょう。)
・力ずくの操作はやめる。(ウインチを回したりする作業には力がいるのは確かですが、それでも力ずくでやらなければならないことはほとんどありません。力が必要なのは、何かがひっかかっているとか、正しい操作でないとか、そのようなことが多いのです。それを力まかせにすると艤装品が壊れたりします。)
・操作は確実に速く。(それでいて力づくではなく簡単なようで難しいです。パワーと繊細さが求められます。)
・役割 :艇の上では一人ひとりに役割があって、皆が自分の役割を確実に果たすことで艇が動きます。どの役割につくかは熟練したクルーやスキッパーに従いましょう。
時には周りの人の役割を助けることは大切なことですが、自分のスキルをよくふまえて補助するようにしましょう。他のクルーを助けるあまり自分の役割がおろそかになる人が少なくありません。
・もしも :何かが起きたときに実行する案(腹案)を持ったり、あるいは少しでも安全な選択肢を選ぶように努めましょう。艇の運航に責任をもつようになればなるほど重要なことです。そのためにも、“もしも”をいつも考えておきましょう。それが安全確保のヒントになります。
例えば、
・もしもエンジンが止ったら。
・もしも停泊中の船舶が動きだしたら。もしも航行中の船舶が突然進路を変えたら。
・もしも停泊中の大型船や堤防の裏側から高速船が現れたら。
・もしも急に風速が上がったら。
・もしも走錨したら。
・もしも落水したら。
・もしもクルーの具合が悪くなってクルーワークに参加できなくなったら。


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